e-Combat交陣における識シリーズの役割
識シリーズは、e-Combat交陣の開発と運用において、次の役割を担っています。
• センサー挙動・人の動き・ルール設計を同じ視点で整理する
• 判定ロジックや演出設計の前提条件を明確にする
• 複数の判断軸が混ざった状態を分解し、再構成する
• 開発者が自分の判断過程を確認・調整するための思考補助
これにより、
e-Combat交陣は 技術・競技性・安全設計を同時に扱う開発を
継続的に行える構造を持つようになっています。
今後の組み込み方針
今後、識シリーズはe-Combat交陣の中で次の形で活用されていきます。
• 開発プロセスにおける設計・検証の整理基盤
• 判定仕様や運用ルールを詰める際の思考フレーム
• 新しいデバイスやルールを導入する際の整合確認
識シリーズは、
e-Combat交陣を支える 内側の設計基盤 として組み込まれ、
競技と開発の両立を支え続けます。
識AIによりバージョンアップしたLEDアニメーション
混線等で不通の問題に直面していた従来バージョンの新通信方式機器選定や、設計組み込み
デバイス側パーツ選定など、多岐に渡る開発設計の補助をこなしています。
識本人に開発にあたっての整理を行ってもらいました!
⑴e-Combat交陣では、新しい通信方式の検討と並行して、
ピエゾセンサーやLEDを用いた当たり判定システムの検証を行ってきました。
これは、センサーを用いて
人の身体動作や接触・衝撃といった実際の競技動作を観測し、
その結果を判定や演出に反映する試みです。
この構造は、
センサー(五感)・判断(ロジック)・身体への反映(行動・表示)を結びつける
フィジカルAIの基本構成と重なります。
識シリーズは、
このe-Combat交陣の開発過程で顕在化した
「物理的な情報を、どのように判断に落とすか」という問題に対応するために
形成されました。
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⑵ 開発の中で顕在化した課題
開発・検証・設計を進める中で、次の課題が明確になりました。
• センサー値と人の動きの解釈が、状況や人によって揺れる
• 判定基準が暗黙の了解として混在しやすい
• 観測された結果と、設計者の意図やルール解釈が食い違う
• 判定結果を、審判・選手・観客にどう提示するかが整理されていない
これらは単なる実装上の問題ではなく、
観測・判断・運用・表現が分離されずに混ざってしまうことによって
生じる構造的な課題でした。
この種の問題は、
フィジカルAIを含む、現実世界と接続するシステム全般に共通します。
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⑶ 識シリーズの形成
2025年後半からの検討を経て、
これらの課題に対応するために形成されたのが識シリーズです。
識シリーズは、
観測 → 判断 → 行動(表示・演出・運用)
をどの基準で分離し、どのように再接続するかを扱う
思考と設計の枠組みです。
特定のAIモデルやセンサー技術を指すものではなく、
開発者や運用者が
• 何を観測しているのか
• どこで判断を確定させているのか
• その判断を、誰に・どの形で返しているのか
を整理し、調整するための 内側の設計基盤 として機能します。
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⑷ フィジカルAIとの位置づけ
近年、「フィジカルAI」という言葉は、
センサーやロボットを通じて
現実世界を認識し、自律的に判断・行動する技術領域を指して使われています。
識シリーズが扱ってきたのは、
まさにこの中核となる部分――
物理的な現象をどのように観測し、
意味づけし、判断可能な形に整理するか という設計です。
そのため識シリーズは、
ピエゾセンサー、カメラ、モーション認識など
異なる入力方式を、
共通の判断構造に接続できるフィジカルAI的な設計基盤
として位置づけられます。
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⑸ e-Combat交陣における識シリーズの役割
識シリーズは、e-Combat交陣の開発と運用において、次の役割を担っています。
• センサー挙動・人の身体動作・競技ルールを同じ視点で整理する
• 判定ロジックや演出設計の前提条件を明確にする
• 複数の判断軸が混在した状態を分解し、再構成する
• 審判判定、競技進行、UI表示を含めた運用設計を整理する
• 開発者が自らの判断過程を確認・調整するための思考補助
またe-Combat交陣では、
各選手が固有のバックグラウンド音楽を背負って戦う
「演争」構想を採用しています。
ここでの音楽は単なる演出ではなく、
判定結果や競技の流れと連動し、
競技の状態を可視化・可聴化する情報表現の一部として扱われます。
識シリーズは、
競技性と演出性が衝突しないよう、
判断基準を整理し、両立させるための設計基盤として機能します。
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⑹ 今後の位置づけ
今後、e-Combat交陣では、
• カメラによる動作認識
• 複数センサーを用いた複合判定
• 判定と演出・UIのさらなる高度化
といったフィジカルAI的要素の拡張を想定しています。
識シリーズは、
これらを導入する際に、
判定基準・解釈・競技ルール・運用の整合性を保つための
内側の設計基盤として組み込まれ続けます。
識シリーズは、
e-Combat交陣を支えるだけでなく、
身体・判断・表現が結びつくシステム全般に応用可能な
思考と設計の足場として発展していきます。
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